乳がん
乳がん

乳がんは、乳房の中にある乳腺(母乳をつくる組織)の細胞ががん化することで生じる病気です。日本人女性がかかるがんの中でも罹患数が多いがんのひとつとされており、女性であれば誰にでも起こりうる身近な病気といえます。
近年は検査技術や治療法が進歩しており、早期の段階で発見し適切な治療を受けることで、日常生活や社会復帰を目指せるケースが増えてきたとされています。一方で、乳房内で発生したがん細胞は、リンパ管や血管を通じてわきの下のリンパ節や、肺・骨・肝臓など離れた臓器に広がる(転移する)ことがあるため、できるだけ早い段階で発見し、治療を開始することが大切とされています。
乳がんは、日々のセルフチェックや検診をきっかけに見つかることが少なくありません。次のような変化に気づいた場合は、一度ご相談ください。
「乳がんは痛みを伴わない」と言われることがありますが、痛みの有無だけで乳がんかどうかを判断することはできません。特に早期の乳がんでは自覚症状が乏しいことも多く、定期的な検診によって発見されるケースも少なくないとされています。
厚生労働省の指針では、40歳以上の女性を対象に、2年に1回のマンモグラフィ(乳房のエックス線検査)による乳がん検診が推奨されています。気になる症状がない場合でも、定期検診を習慣にしていただくことをおすすめします。
乳がんは、単一の原因によって発症するものではなく、複数の要因が関わって発症すると考えられています。これまでの研究では、次のような要因が乳がんの発症リスクに関係すると報告されています。
これらの要因に当てはまる方が必ず乳がんを発症するわけではなく、また、当てはまらない方でも発症することがあります。ご自身のリスクについて気になる場合は、診察の際にご相談ください。
乳がんが疑われる場合、当院では主に次のような検査を組み合わせて診断を行います。
問診・視触診
症状やこれまでの経過、家族歴などをお伺いしたうえで、乳房の状態を確認します。
マンモグラフィ(乳房のエックス線検査)
乳房内のしこりや石灰化(カルシウムの沈着)を確認します。
乳腺超音波検査(エコー)
超音波を用いて乳腺の状態を確認する検査で、被ばくの心配がなく、若い方の検査にも用いられます。
組織診(生検)
しこりの一部を採取し、顕微鏡で調べることでがん細胞の有無やその性質(サブタイプ)を確認します。
これらの検査結果をもとに、がんの広がりを調べるためCTやMRIなどの追加検査を行う場合もあります。検査結果は、わかりやすい言葉で丁寧にご説明するよう努めております。
乳がんの治療は、がんの種類・大きさ・広がり・乳がん細胞の性質(サブタイプ)・患者様の状態などをふまえ、お一人おひとりに合わせて検討します。主な治療法は次のとおりです。
手術療法
がんの範囲に応じて、乳房部分切除術(乳房を残す温存手術)または乳房全切除術を選択します。わきの下のリンパ節への転移が疑われる場合は、リンパ節を調べる検査や切除をあわせて行うことがあります。
放射線治療
乳房温存手術の後に、残った乳房内での再発を防ぐ目的で行われることが多い治療です。
薬物療法
乳がん細胞の性質に応じて、ホルモン療法(内分泌療法)・分子標的治療・化学療法(抗がん剤治療)・免疫療法などの中から選択されます。手術の前後どちらのタイミングで行うかは、がんの状態によって異なります。
当院では、問診・触診・画像検査・組織診などを通じて診断を行い、手術や専門的な治療が必要と判断した場合には、患者様のご希望や状態に応じた医療機関をご紹介しております。治療方針は、患者様おひとりおひとりの状態やご希望を伺いながら、担当医とともに考えていくものです。ご不安な点やわからないことがあれば、遠慮なくお申し付けください。
治療を終えた後も、体調の変化や再発の有無を確認するため、定期的な通院・検査が必要とされています。日常生活においては、次のような点を意識していただくとよいでしょう。
治療や経過観察に不安を感じることは自然なことです。当院では、患者様が安心して日常生活を送れるよう、必要に応じて情報提供やご相談をお受けしております。
乳がんは、早期の段階では自覚症状がないことも多いとされています。そのため、症状がない時期からの定期検診が、早期発見のための重要な手段のひとつと考えられています。
厚生労働省の指針では、40歳以上の女性に対して2年に1回のマンモグラフィによる乳がん検診が推奨されています。あわせて、月に一度ご自身で乳房の状態を観察する習慣(セルフチェック)を持っていただくことも、変化に早く気づくための一助になります。ご家族に乳がんや卵巣がんにかかった方がいる場合など、リスクが気になる方は、検診の頻度や検査方法について医師にご相談ください。
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